秋の味覚 ポルチーニ


毎年この時期にポルチーニ茸の芳醇な香りを嗅ぐと、秋の訪れを実感します。

それぞれの季節に旬の食材がありますが、これほど季節を意識させる食材は、他には春のホワイトアスパラガスぐらいでしょうか。

この香りを嗅ぐと、暑い夏が終わり実りの秋を実感します。


ちょうど同じ時期に、イタリア・アルバ産の白トリュフが旬を迎えますが、同じキノコの仲間でありながら料理にするとそれぞれ全く用途が異なります。

白トリュフに限っては生の状態が一番香りが引き立つので、加熱することなく薄くスライスすることが一番適した仕立て方、ということになります。


一方、ポルチーニは生の状態ではさほど香りはありませんが、加熱するととても力強い香りが出てきます。

日本のキノコにはない香りです。

特に動物性脂肪や乳性脂肪との相性が抜群によく、たっぷりのバターでソテーするか、パルミジャーノでパスタに仕立てるのが僕のお気に入りです。


同じキノコを、フランスで採れたものはセップと呼びますが、より香りの力強いイタリアのポルチーニのほうが僕は好きです。

天然キノコなので収穫の時期は正確には決まっていませんが、雪が積もって山に入れなくなればそのシーズンの終了ということになっています。